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アール・デコ博覧会とは、正式名称を現代装飾美術・工業美術国際博覧会(Exposition Internationale des Arts Décoratifs et Industriels Modernes)といい、1925年の4月から10月にかけて、セーヌ川にかかるアレクサンドル三世橋の両岸で開かれた博覧会です(実際は11月まで延長された)。アレクサンドル3世橋を中心にセーヌ川両岸のアンヴァリット広場とグラン・パレを会場として、日本を含む22ヶ国が参加し、150のパビリオンが出展されました。
通称アール・デコ博覧会と呼ばれるこの国際博覧会は、その名の通りアール・デコという装飾様式の語源ともなった博覧会です。過去の様式から脱却し、現代生活に即した製品のデモンストレーションを行うというスローガンを掲げて開催されたこの博覧会は、建築、家具、絵画などあらゆる工芸作品が新しいデザイン、オリジナリティーを競い合いました。この博覧会を視察した朝香宮が、アール・デコのデザインに大変感銘を受け、後に朝香宮邸(現・東京都庭園美術館)の内装をアンリ・ラパンやルネ・ラリックに依頼しました。
ラリックは、1900年のパリ万博では、昆虫や裸婦をモチーフとした官能的な宝飾品で名声を博し、アール・ヌーヴォーの第一人者として認められていましたが、25年後のこの博覧会においては、全く新しいモダンなデザインのガラス作品を発表し、アール・デコの代表として認知されたのです。ラリックは個人パビリオンをはじめ、香水瓶パビリオン、美術工芸パビリオンなどに作品を提供し、さらに博覧会のシンボルである噴水の塔を製作しました。
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